12/3 インゲル
先日、職場の近くに新しくできた「セレブ工場」ってパン屋の話をしてたんですが(仕事をしてくれ)、その時に、
「そういや、『パンを踏んだむすめ』って童話あったよね。」
って話したら、同僚で誰ひとり知らなかったんですが、マイナー童話なんかな…
自分は、トラウマになってて、いまだに思い出すし、歌も覚えてる(歌が特にこわい)
(ミクシィの「パンを踏んだ娘」コミュニティに入ってた)
しかし、子供のとき見たっきりなので、どんなストーリーだったっけとなって、もういちど見直してみました。
(以下、ネタバレあります。童話にネタバレもクソもありませんが。)
YouTubeにNHKでやってた人形劇がアレされてないかなと思ってたら、ロバートの秋山が朗読してるのがあった。(再現度ヤバイ)
※アレされたオリジナルもある。
最恐トラウマ童話「パンを踏んだ娘」をロバート秋山が朗読劇で完全再現!!【限定コメントあり】そんなに知られていない名作劇場『おはようロバート』アベマビデオで公開中
インゲルという美しい少女がいたんだけど、こいつがまぁクソなんですよ。
いじわるで、虫を傷つけるのを楽しむようなサイコパスでした。
(花火で虫焼いてるアイドル、気をつけなよ…)
そんなインゲル、お家は貧しかっただけど、
顔が良いので、子供のいない金持ちに見初められて、そこの養女になります。
贅沢三昧な生活で、さらに高慢さに磨きがかかります。
ある日、養母がインゲルに「帰省がてら、実母にパンを届けてあげなさい」と提案します。
ここら辺のやりとりもインゲルのクソっぷりが全開ですが、結局実母にパンを届けてあげるために帰省することにします。
故郷に戻ったインゲルですが、道中の泥沼に綺麗な靴で入りたくないばっかりにパンを踏み台にします。(ロックマンのラッシュじゃないんだから…)
すると、踏んづけたパンごとヌルッと泥沼に沈んでしまいました。
前にも書いたけど、この時の曲がこわい
パンを踏んだ娘 パンを踏んだ娘
パンを踏んだ罪で 地獄に堕ちた
地獄て…
この曲、大好きな絵の中に閉じ込められるメトロポリタン美術館と並ぶNHK教育トラウマ楽曲だと思う。
この後どうなったかがうろ覚えだったんだけど、
インゲルは泥沼の底で石の像になってしまう。(なぜか足にパンを付けたまま)
でも、意志は残ってる。(石だけにね…)
インゲルは石になっても、「何で私がこんな目に…」と反省の色なし。クソオブクソ
インゲルが沼に沈んだのを見てた人の話を聞いた、病気で死にかけの少女が
「インゲルがかわいそうだから自分の代わりに天国へ行く羽根を与えて欲しい」
と、インゲルのために毎日神様にお祈りをしてくれます。
それを聞いたインゲルは涙を流し、悔い改めます。
ある日、優しい少女の祈りを聞いた神様(多分少女が死んだんだろうな…)が、沼底のインゲルを鳥の姿に変えました。
(でも、パンを踏んだ罪(重てぇ)を償いきれてないので、小汚い羽根しかなく、鳴けない鳥にされたみたい。)
その後の話は、
町の奥さんが、鳥インゲル含む鳥たちにパンくずを撒いてたんだけど、
鳥インゲルは、自分ではパンくずに手をつけず、他の鳥に分け与え続けて、
そのパンくずの量が、人インゲルが踏んだパンと同じ量になったとき、
鳥インゲルは美しい姿(鳥のまま)になって天に飛んで行った。
という終わり方
なるほどー。やっぱあんまり救いはないよな。
(多分原作はもっと酷そう。)
地獄に落ちたとこまでが衝撃的だったけど、色々調べると、インゲルはキリスト教の七大罪の「高慢」の罪で地獄に堕ちて、無私の心(キリスト教の七つの美徳「慈愛」)で贖罪を果たしていく話なのね。
(パンはキリストの体とされてるから、パンが物語の装置になっているんだと思う。)
ちなみに、『赤い靴』って話もあるけど、あれは「虚栄心」を罰するお話らしい。きちんと知識を付けながら見る童話は面白いかもしれない。
最後に、トラウマソングを貼っとくから見てくれよな。