1/20 黒木交流会【修正版】
これから紹介するのは、黒木りなの大分最後の交流会についてのぼくなりの記録である。
かなりのディフォルメと大げさな表現になっているかもしれないが、あまり気を悪くしないでほしい。
「やれやれだ」
ぼくは、冷めたたこ焼きーーそれはもう、かってたこ焼きだった何かではあるがーーを手に提げて、駐車場から数百メートルある、いつもの憂鬱な道のりを歩いていた。
衛藤ビル、ぼくはその由来を知らないけれど、誰かがそう呼び始めたらしいその建物に着くと、受付に黒木はいた。
久しぶりに会った黒木は、白いニットにチェックのミニスカートという姿で、シンプルだけど彼女のスタイルによく似合ったものだった。
ぼくは、あらかじめポケットに忍ばせていた現金を黒木に渡し、衛藤ビルの入口付近に設置されたビーチチェアに腰掛けた。
客はぼくのほかに7人、九州女子翼を流す者、デジカメの現像作業をする者、わさビーフを頬張る者、みんな自由なことをしている。
「ファンタとお茶があるの」と黒木は言い、
ぼくは「おかまいなく」とそっけない返事をしながらも、「お茶か、悪くない」と独り言を言った。
黒木とそれを囲む8人の交流会、
それはあまりにもセンシティブで、コンプライアンスに欠けたものであり、ここで明らかにすることはできない。
ただ、一つだけ言えることは、どうやら黒木には人に愛される才能があるらしい。
それから、黒木と写真を撮り、黒木はそれにメッセージを書いた。
そのメッセージに意味なんてない。
ぼくと黒木の存在証明のようなものだ。
予定された時間が過ぎ、ぼくは衛藤ビルを後にすることにした。
「長居したからっていいもんじゃない。」それは決して短くはないオタク人生で、ぼくが学んだことの一つだ。
帰り際に、黒木は「またね」と言い、ぼくも「またね」と返した。
最後の交流会のはずなのに、近い未来、ぼくは黒木ーーそれはちゃいもりなでも黒木りなでもないかも知れないけどーーにまた会うことになると、うすうす感じ始めていた。
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(先日の投稿は、イメージが大事なお仕事をしてる女の子に対してデリカシーなかったかなと思ってるので、近日非公開にします。スマンな黒木。)